Q11: 住宅ローンを任意整理することはできますか?
一般的に、住宅ローンの債務は、住宅を担保(抵当権の設定)にとられております。
任意整理を行なう場合は、弁護士が代理人となって債権者に介入通知を送付すると共に支払いを停止するため、延滞状態になります。
交渉を行いながら、一方でローンの延滞が続くことになるので、債権者は抵当権を実行し、債権を回収してしまいますので、
住宅ローンの債務を任意整理することは困難なのです。
そもそも住宅ローンを組んだ時に、万一返済できなくなったときの金融機関のリスクを避ける目的で、
保証会社の保証を得ることが条件になっています。
(住宅金融支援機構が扱うフラット35は、保証会社の保証は必要ありません。)
住宅ローンを貸し付けている銀行等は、任意整理の和解案に応じるよりも、約定どおり返済が出来ないのであれば、
保証会社の保証を実行(代位弁済)してもらう方が手っ取り早いのです。
また、仮に和解案に応じる場合であっても、
銀行等は弁護士介入があったことと、弁済スケジュールの変更を保証会社に報告し、承諾してもらう必要があります。
返済期間が長期になれば当然、保証会社のリスクが高くなりますし、保証料の変更など手間の掛かる事は全て保証会社に頼らざるを得ません。
このような事情から銀行や保証会社の承諾を得られる可能性も少なく、万一にも抵当権の実行で自宅が競売されるリスクを抱えながら、
「一か八か」で任意整理を行なう程のメリットもないので、住宅ローンの任意整理は事実上不可能といえます。
※「保証料」とは保証会社に保証してもらうための費用。
※住宅ローンを行なう金融機関は銀行や住宅金融支援機構だけではなく、ノンバンクなどや種類も多いので、稀ではありますが、住宅ローンの返済額や返済期間を見直してくれる場合もあり全く可能性がないわけではありません。
しかし、任意整理は債務ごとに個別に交渉を行うことができますので、住宅ローンを除き、 その他の債務については任意整理することは可能です
なお、個人再生手続には住宅ローンに関する特別条項というものがありますのでそちらを検討してみるのがいいでしょう。
住宅ローンに関する特別条項には最高10年間返済の延長を行なうことの出来る
リスケ型の手続きが存在します。
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