時効制度の知識と情報量、知っている者は利用できるが知らずに権利を放棄する場合、信義則によるもの

時効の援用の放棄と信義則とは

下線1

時効制度は難解なもの?

最近では、多重債務の対策の一つとして消滅時効の援用を行なう方がとても多いと思われますし、時効に関する質問も増えてきているように感じます。
また、債務整理としての効果も高く、特に法的整理などに比べると、消滅時効は債権者に援用通知を送るだけという簡単なものですので、手間と時間そしてコストパフオーマス問題も含めて非常に優れたものと考えます。

しかし、我々を含め一般の皆さんからすると、取っつきにくいものであり、理解しがたい部分もたくさんあったりするようです。

難解な時効制度

時効の援用も難解です。

たとえば、時効期間が経過したにもかかわらず、債権者から請求が普通に来ることが理解が出来ないのです。
相談者がよくいわれます。「時効になっているはずなのに、請求が来るのは何の意地悪なのでしょうか?」・・・・と聞かれたりします。
刑事物のテレビドラマの影響か、一般の方は時効が成立すれば、それでもう請求が出来ないはずと思っておられます。
一般の方に「時効の援用」などという概念はありませんし、理解してもらうのもとても難しいのです。

また、こんなこともあります。
長年支払をせずに年月が経過していたが、債権者からはまったく請求をされなかった。
その後さらに年月が経過したころ、突然、サラ金業者が自宅に取立に来られたので、「今は現金がないので、月末には一部の支払をするから・・」と約束をしてしまったのだという。
ところが、消滅時効というものがあることをを知り、後日に相手方の債権者に時効の援用を行う旨を伝えたところ、「支払の約束は債務承認になるので、時効はその時点から再び進行します。」といわれてしまいました。

債務を認めると時効の援用が出来なくなる。

この方は納得いかないようで、「消滅時効の期間が経過していることを知らなかったのだから、債務の承認をしてしまっても、それは無効のはず・・・」といわれていますが、判例により(最大判昭41.4.20)「債務者が、消滅時効完成後に債権者に対し当該債務の承認をした場合には、時効完成の事実を知らなかつたときでも、その後その時効の援用をすることは許されないと解すべきである。」としているので、もはや消滅時効の援用は出来なくなるのです。

たしかに時効の完成など一般市民に解るはずがないのですが、そのことを知らずに自分が支払うべき義務を認めると、
信義則上、もはや時効云々といえなくなってしまうのです。
信義則とは、民法に定める信義誠実の原則のことです。

信義誠実の原則とは、自分の権利を行使したり主張する場合は、信義に従って誠実に行うようにしなければならず、契約や取引などにおいては当事者が互いに信頼を裏切らないようにすべきであるということが民法の基本原則として民法第1条第2項に規定されています。要するに、自分の言動に矛盾した態度をしてはならないというものです。

同じ民法の基本原則には「権利能力平等の原則」や「私的自治の原則」などもあります。
私的自治の原則とは、権利の取得や義務の負担については個人の自由意思に基づいてのみ決定する。つまり、一切個人の自主的決定にまかせ、公的機関は介入せず干渉すべきではななく、すべて個人の自己責任による意思決定を意味する。
また、この原則には「契約自由の原則」も含まれています。

もちろん誰にも邪魔されず、干渉もされずに自由意思に基づいて意思決定を行うことは大事ですが、それは契約をしたり権利を行使するには、取引相手と対等の関係にあるというのが必要だということです。
しかし、実際にはどうでしょうか・・・・?
取引をする相手として対等であるはずのサラ金・クレジット業者と、利用者である自分の知識と情報量に格差があるのは当たり前です。相手側はプロとして仕事をしているのですから当然です。
いわゆる、知識・情報量の非対称性という問題です。
これらの知識・情報量の非対称性問題に対して、消費者保護という観点ではあまり考慮されていないというか、バランスが悪いように思います。

時効の援用という知識を持っている者が利用できても、知らない者は後に情報を得たとしても、それまでに知らずに時効の放棄をし、または債務の承認をしてしまい信義則という名の下に消滅時効が利用できなくなってしまうというとなのです。

最後に、民法146条は「時効の利益は予めこれを放棄することを得ず」と規定しています。これらは、時効によって利益を得ることを潔しとしない人の道義心を尊重しようとするための規定であるとされていますが、しかし、時効の援用について、道義心などと、人の踏み行うべき正しい道や人としての正しい道を守るべき責任などの善悪の概念を入れると、利用したくても利用できなくなってしまう方もおられるのではないでしょうか?法律で認められている行為が善悪で制約されかねない概念が存在していること自体ナンセンスといわざるを得ないのでないでしょうか。
皆さんは、どう思われますか?・・・

時効に関する質問はNPOの相談員に聞いてみましょう。
すべて無料で相談やアドバイスをしています。

時効無料相談こちら⇒ NPO消費者サポートセンター大阪

ライン2

大阪京都、滋賀神戸過払い金請求相談室自己破産相談

借金相談大阪
所在地 大阪府東大阪市横枕西4-6
TEL 06-6782-5811
MAIL
携帯サイト http://www.syouhisya.org/i/
スペーサー1
スペーサー2

Copyright©2005 特定非営利活動法人 消費者サポートセンター大阪 All Rights Reserved