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Q27: 自己破産すると生活保護はストップされるのでしょうか?

Answer

生活保護は、自己破産によって打ち切られたり、支払いを停止されたりすることはありませんので安心してください。
また、支給される保護費は、生活に欠かせないものですから、失業保険・年金などの権利と同じく法律で差押さえ禁止になっています。

日本国憲法の25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と定められています。
そしてこの憲法25条を具現化した立法の代表的な法律が「生活保護法」です。

文化的な生活

つまり、生活保護制度とは、国が生活に困窮するすべての国民に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助けてくれる制度なのです。
人は誰でも、身の周りでいろいろなことが起こり得ます。たとえば、勤務先でボーナスカットによって収入が激減したり、突然のリストラで失業して収入が無くなったり、あるいは、病気や怪我で働けなくなってしまって生活費に事欠く場合もあります。このような場合に、国が最低限度の生活を保障くれるのですから、この制度を利用して、誰でも起こり得る経済的ピンチを乗り越え、自立を目指すことになります。

しかし、借金を抱えている場合、生活保護を受けたからといって、借金が免除されるわけではありません。
生活保護費は、健康で文化的な最低限の生活を保障するものですから、借金の返済に充ててしまうと生活が圧迫されることになります。
また、車のローンや住宅ローンの返済に充てると、生活保護費の支給で個人の資産を築くことになってしまいます。
生活保護費の原資は国民の税金です。税金で借金を支払うわけにはいきませんし、税金で資産を築くことも許されるわけもありません。

借金問題を解決するには、ご承知のとおり、自己破産手続きによって解決します。
現在、生活保護を受けている状態なのですから、返済するという選択肢はあり得ないのです。よって破産により免責を受ける以外方法はありません。
また、生活保護を受ける前に多額の借入が存在する場合は福祉事務所より「自己破産」するように指導されることもあります。
しかしながら、現実に生活に困窮している状態で、自己破産の手続きが完了するまで悠長に待ってはいられません。

このような場合は、借金の清算手続きと生活保護の申請は同時に行うことが最善なのですが、「借金があると生活保護が受けられない!」「自己破産してからでないと生活保護が受けられない!」というような指導をしている福祉事務所があります。
このような誤った運用が未だに行われており、生活保護を受けようとしている方が、借金の存在を伏せて生活保護申請を行っていることが散見されます。

生活保護費は、生活のための最低限の金額しか給付されません。
せっかく生活保護につなげたのに、借金問題を解決していなかったばかりに、無理な返済を続けて生活の困窮が解決されないということになってしまいます。
また、生活保護制度の趣旨にも反する行為になり、福祉事務所からは、返済を止めるようにと指導されるでしょう。指導に従わなければ、それこそ生活保護が打ち切られる可能性もあります。生活保護を受けるだけではなく、自己破産で借金問題もセットで、しっかりと解決してください。

逆に、自己破産手続きで、借金問題だけを解決しても根本的な解決にはならず、原因が経済的な困窮なら生活保護などの社会保障制度を活用して、生活そのものを再建する必要があります。
このように、借金問題と生活保護問題は綿密な関係にあるといってもいいでしょう。

最後にもう一度申し上げますが、生活保護は、自己破産によりストップされたりすることはありません。
生活保護制度や自己破産手続などの正確な知識を持てば決して難しいものではありません。悩んだら是非相談してみましょう。

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