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Q24: 自己破産をすると選挙権がなくなりますか?

Answer

●自己破産をしても選挙権・被選挙権はなくなりません。

自己破産をすると選挙権が剥奪されるとか、パスポートが発給してもらえなくなるなど、ネガティブな情報が巷で氾濫しています。
しかし、現行の破産法では、破産手続の追行して行くために必要な「自由の制限」を除いて、破産手続開始決定を受けたことだけを理由に破産者に不利益を課す懲戒的な制度は設けられていません。

ですから、実際には自己破産を行っても選挙権や被選挙権などの公民権は喪失しませんので、選挙で投票することもできますし、自分が立候補することも可能なのです。 もちろん、パスポートも発給してもらえますし、戸籍や住民票に記載されることも一切ありません。

「選挙権」とは、みんなの代表を選ぶことのできる権利なのですが、大日本帝国憲投票人法下の日本では、選挙権は税金をたくさん納めている男性など、一部の人にしか認められていませんでした。
また、欠格事項として破産者、貧困により扶助を受けている者、住居のない者、6年以上の懲役・禁錮に処せられた者、華族当主、現役軍人、応召軍人には選挙権を与えられていませんでした。 その後、昭和21年に日本国憲法が公布され、満20才以上の男女すべての日本国民に選挙権が与えられるようになりました。
現在の選挙権は、20歳以上の成人で日本国籍があれば、性別、財産、学歴などによる差別がなく、みんなが平等に持っている権利なので、自己破産したからといって剥奪されるようなことはありません。
なお、地方議員、知事や市長なとの選挙は、3ヶ月以上、その地域区内に住居している必要があります。
「被選挙権」とは、一定の年齢になると、選挙に出てみんなの代表になる資格を持つことです。一定の年齢とは、衆議院と地方議員は25歳以上、参議院と都道府県知事は30歳以上となっています。
破産経験者でも選挙に出ることはできますし、現在、破産手続き中の方であっても、選挙に出る権利はあります。
※平成12年まで、禁治産者は選挙権及び被選挙権の欠格条項とされておりました。よく「禁治産者」と「破産者」を混同してしまい、破産者には選挙権がないと誤解されていたようです。なお、成年後見制度の導入によって禁治産者などの用語は廃止されました。同様に成年被後見人は選挙権及び被選挙権を有しないとされていましたが、平成25年にこの規定は削除されました。

自己破産のイメージが、とんでもない犯罪まがいの行為のように思われているようです。借金を免除される代わりに、 辛い罰が与えられて、通常の生活はできず、それは一生続く・・・・、日本の社会において、このような感覚の存在が、たくさんの方々を苦しめているのです。
どうしても破産を回避しようとして、何の解決もできずに債権者からの取り立てに怯えて、ヤミ金に手を出したり、夜逃げをしたり、 横領や窃盗などの事件を起こしてしまったり、それ以上追い詰められると自殺までに発展してしまうこともあります。

もっと早く、然るべき専門家に相談できれば、自己破産についての誤解も解けて、不利益もほとんどないことが理解できるはずです。 正しい自己破産の知識もって処理を行えば、決して夜逃げや犯罪・自殺に至ることはありません。

※例外として選挙権・被選挙権を失う条件
①禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者
②禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)
 以下の何れも成立してない者
  ①仮釈放後の残刑期期間満了
  ②刑の時効
  ③恩赦による刑の執行免除
③公職にある間に犯した収賄罪により刑に処せられ、実刑期間経過後5年間(被選挙権は10年間)を経過しない者。または刑の執行猶予中の者
④選挙に関する犯罪で禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行猶予中の者
⑤公職選挙法等に定める選挙に関する犯罪により、選挙権、被選挙権が停止されている者
⑥政治資金規正法に定める犯罪により選挙権、 被選挙権が停止されている者
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