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Q25: 賃貸住宅の場合、自己破産をすると出て行く必要がありますか?

Answer

賃貸マンション、アパート、借家などであっても、自己破産をしたからといって、家賃の滞納がなければ、 賃貸契約の解除や、追い出されたりすることはありません。
家主から立ち退きを求めることもできませんので、出ていく必要はありません。
ただし、家賃を滞納している場合には賃貸借契約の解除原因になることもあります。

●以前は法律で解約を認めていました。
民法第621条によって、借主が破産の宣告を受けると、貸主(家主)は、賃貸契約の期間中であっても、解約できることになっていました。
しかし、平成17年にこの規定は削除され、借主が自己破産をしても賃貸住宅から出て行く必要はなくなりました。

●賃貸契約に取り決めがある場合
賃貸契約書に、「借主が自己破産の申立てをしたとき」または 「借主について破産手続き開始決定があったとき」には、賃貸契約を解除できる旨の記載がある契約が賃貸マンション見受けられます。この特約にそのまま従えば、 貸主から解約されると出て行かなければならなくなります。

しかし、借主が自己破産をしたことをどのようにして家主が知り得るのでしょうか?
借主本人が、自己破産したことを告げなければ、家主は知らないわけですから問題になることは少ないでしょう。
なお、現在は前述の民法第621条の削除により、このような特約があっても、その効力を認められないようになってきています。

●家賃を延滞している場合
家賃の滞納が続くと、債務不履行により賃貸契約を解除される可能性があります。
もちろん、延滞家賃を残したまま自己破産をすると延滞した家賃も免除されるのて、家賃をもらえなくなった家主は賃貸契約を解除して、賃貸住宅の明け渡しを求めてくるでしょう。
そうなると自己破産で借金は免責されたとしても住むところがなくなってしまいます。
それを避けるなら、 少額の延滞の場合は、支払える範囲で分割で支払って延滞を解消した方がよいでしょう。

このような行為は、金額や弁済時期、弁済の原資によっては偏頗弁済として問題になる可能性はありますが、少額なら賃貸契約の解除を避けるため仕方のない行為として認められることがほとんどだと思われます。

もし、支払いができないほど家賃の滞納額が大きくなっている場合や契約の解除が避けられない場合は、家賃の滞納は支払わず退去して、別の住宅を確保して転居し、新たな生活を始めるようにしましょう。
貸主には迷惑をかけることになってしまうので、これ以上損害を与えないように出来るだけ早く賃貸住宅を明け渡すべきです。
家賃の延滞額は、免責により支払いを免除されます。

●賃貸住宅の敷金返還請求権について
賃貸住宅を借りる場合、敷金(保証金の場合もある)を差し入れます。退去時には未払家賃や原状回復費なとを差し引いた上で返還されます。
これを返還してもらう権利を「敷金返還請求権」といいます。
敷金・保証金返還の見込み額によっては、資産として換価の対象となります。
裁判所によって、取り扱い方が違うのですが、契約上の敷金返還額をそのまま評価額としている裁判所もあり、評価額によっては管財事件となる場合もあります。
敷金返還請求権を換価処分するには管財人が賃貸契約を解除することになります。管財人には賃貸借契約を解除する権限があるのですが、実際に解約するのかは、管財人の判断によります。

大阪地方裁判所の場合は、賃貸契約上の敷金返還額から滞納賃料および60万円(受渡し費用など)を控除した額を敷金返還請求権の評価額としていますので、たいていの場合は問題なく住み続けることが可能です。
東京地方裁判所などでは、敷金に関して、金額にかかわらず居住用不動産の敷金返還請求権は自由財産となる取り扱いがされています。
このように、裁判所により取り扱いに違いがありますので注意してください。

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