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税金滞納処分の停止(解除)へ直談判

税金滞納処分の停止(解除)へ直談判

■給料とボーナスの差押えを回避できました。

12月初め頃、相談を受けた方のお話です。
以前勤めていた勤務先では住民税の特別徴収は行われておらず、1年後に退職した後に納付の通知を受け取ったということでした。
次に入社した会社は、収入も下がり、直近で離婚もされていたので、子供養育費を支払いながらも税務上独身で扶養者がいないことになっているために控除額が多くて、稼いでおられる割には手取額はとても少なく、約150.000円弱であった。

ご本人も収入が激減したため、また、養育費の支払いを優先せざるを得ない状況であったため、住民税の支払いが後回しとなってしまったのです。

役所オーク

生活費の内訳としては、アパート賃貸家賃が60.000円(家賃の延滞があり、毎月15.000円上乗せ含む)、交通費1.8000円、携帯電話代20.000円(仕事にも利用)、養育費30.000円、電気ガス水道料金で20.000円、食費40.000円、その他5.000円、合計183.000円であり、実際には赤字で養育費分は足りません。また、何の予備費もないため、実際にはもう少しかかっていたと思われます。

しかたなく、元妻には養育費を当面の間は15.000円にしてもらうよう話をし、足らない分は消費者金融で借入をしながらその後3年間やり繰りをしてこられたのですが、何とか切り詰めながらも借金は80万円ほどになっていました。

しかし、住民税を支払いは後回しになってしまい、結局支払えないままでした。それに加え、あらたに発生する住民税も支払えなかったので、延滞料もかさんで、本税は80万円ですが、延滞税込みで120万円を超えてしまいました。

市税事務所は滞納処分で、この方の給料を差し押えました。
給料を差押えられると手取りは60.000~70.000円程度になってしまったそうです。
一般的には、最低生活費として100.000円は残るはずなのですが、交通費は控除されないので、これも含んだ金額となる。
また、この方は旅客運送に関わる仕事をされているので、交通費の立て替えと、集金が業務の日常であり、その顧客がクレジットカードを利用して支払をする場合は、未収金となり清算は翌月にされることになる。また、交通費の立て替えは集金から支払うために未収金となってしまうのです。

そのため、給料明細には未収金として給料から控除されるが、法定控除ではないので、前述の交通費と未収金が差し引かれるため手取りは60.000~70.000円程度になってしまうのです。しかも、未収金や交通費が翌月精算されても、通常の収入に追加された清算金はそのまま差押えに算入されるので、翌月になっても不足分は解消されないことになる。
当然、生活費も出ないために、その後も借入が増えました。

差押えにより、120万円ほど延滞していた住民税も新たに発生した分も含め一年程度で50万円まで減りましたが、借入は80万円から140万円に増えたのですが、差押えにより税金を支払った分が、結果的に、そのまま借入増加になったのです。

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■結果として消費者金融に借り入れして納税!

ご本人が、当センターに来られた頃には、手持ち金額1万円で、15日に入るはずのボーナスは3万円程度を残して全て差押えされることが決まっていた。
差押禁止の部分があるはずですが、国税徴収法76条5項で、滞納者の承諾があるときは差押禁止の部分も差押えが出来ることになっており、ボーナスについては任意に取り決められたことになっていたが、実際にはほぼ強制的に取り決められたとのことであった。 ここまでくると本当に無茶苦茶な話です。

ご本人も月末に支払われる給料の手取り予定額9万円程度しか予定はなく、このままでは年が越せない状態であった。
また、既に家賃は延滞状態で、もちろん養育費や消費者金融の支払は出来ていない。
公共料金については電気代や水道代は支払えず、ガスについては数ヶ月前から止まったままで、閉栓状態であった。
ご本人も、この状況を市税側に伝えて、何とか差押えを停止してほしい旨を伝えたのですが、聞き入れてもらえなかったようです。

せめて、ボーナスだけでも差押えを解除してもらえれば、家賃やガス代も支払えます。ガスが使えれば、自炊が出来るので食費も抑えられることになります。
月々の給料差押えも解除してもらえるなら、家賃の滞納も解消され、食費が安くついた分を含めると、市税に対して月3万円程度支払っていけば2年経たないうちに支払えます。
一般の債務については破産を検討する必要がありますが、何とかこの悪循環を断ち切れる可能性が出てきます。

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■当センター担当者が本人に同行して直談判

そこで、市税事務所へ当センターの理事が同行して給料及びボーナスの差押えを解除すべく交渉をしました。

国税徴収法第153条・地方税法第15条の7では、滞納処分の停止の要件等として、「滞納処分をすることによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき。」 滞納処分の執行を停止することができるとされています。 もちろん、今回の差押えで、相談者本人の生活は著しく窮迫しているのですから滞納処分の執行を停止するのが相当だと思われます。

そのことをじっくりと市税の担当者に説明し、このままでは生活保護受給対象となり、税金で税金を支払う事になりかねないこと。差押え会誌から数回本人が生活が成り立っていない現状を伝え差押え額の減額をお願いしたが聞き入れてもらえなかったことを説明し、そもそも滞納者の実情把握が行われた上での差押え処分なのか?今回の差押えにより生活の維持を困難になっている実態があり、これは不適切な税務行政で、かつ不当な処分となっている可能性があること。この現状を踏まえ、生活の維持を検討するならば、一定の配慮がなされているべきであることを延々と訴えたところ、最終的には給料とボーナスの差押えを解除してもらうことになりました。

※プライバシー保護のため一部内容を変えています。

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■滞納処分の停止の制度について

前述の通り、滞納者に一定の要件が該当すると認めるられるときは、滞納処分の執行を停止することができることになっています。

① 滞納処分をすることができる財産がないとき

② 生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき

③ 納税者の所在及び滞納処分を実行すべき財産がともに不明の場合

となっています。

今回の場合は②に当てはまるのですが、国税徴収基本通達第153条関係3項(生活の窮迫)では、「生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき」とは、滞納者(個人に限る。)の財産について滞納処分の執行をすると、滞納者が生活保護法の適用を受けなければ生活を維持できない程度の状態になるおそれのある場合をいう。となっています。

この通達では、「滞納者(その者と生計を一にする親族を含む。)に対し、これらの者が所得を有しないものとして、生活保護法に規定する生活扶助の給付を行うこととした場合におけるその扶助の基準となる金額で給料等の支給の基礎となつた期間に応ずるものを勘案して政令で定める金額で営まれる生活の程度」となっています。

上記の効果として、滞納処分の禁止と差押の解除ができる。
そして、この規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その停止に係る税金について差し押さえた財産があるときは、その差押えを解除しなければならない。

この執行停止が3年間継続したときはその租税債務は消滅する。もちろん、延滞税も消滅します。

同通達第153条関係11項では、「滞納処分の停止をした場合において、滞納者が自発的にその停止に係る国税を納付したときにその納付金を収納し、又は過誤納金等若しくは交付要求(参加差押えを含む。)に係る受入金をその停止に係る国税に充てることは差し支えない。」となっておりますが、この通達が生活保護受給者に受給前の未納分について納付を迫る法的根拠となっているため、ごり押しで支払を迫るなど、強引な説得には抗議すべきです。

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なお、納税は国民の義務であります。事情はともあれ滞納状態になったことには相談者に責任があることは確かです。
やはり税金については可能な限り誠意を持って納税に努める事が原則です。その上で現状の窮状を訴えて、不当な処分は不当であるとはっきり伝えるべきでしょう。
NPOが強制執行や給与差押解除の検討、対処方法のアドバイスを無料で行なっています。

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