海外に逃亡すると時効は止まるの?
借金をして外国に逃げても時効が停止されるのか。
テレビで刑事ドラマやサスペンスドラマを見ていると、警察が殺人犯を追って、時効ギリギリで取り逃がしたが、時効が成立して逃げ切ったと思われた犯人が油断して逮捕されたが、実はこの犯人は、過去に「海外渡航歴」があり、犯罪加害者が海外に逃亡していた際には、海外渡航日数分の時効が停止されているので、この犯人の殺人事件は時効が未成立なので、そのまま起訴されるという場面がよく登場する。
実際に、刑事訴訟法 第255条では、「犯人が国外にいる場合又は犯人が逃げ隠れているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかつた場合には、時効は、その国外にいる期間又は逃げ隠れている期間その進行を停止する」となっている。
また、短期の海外滞在には時効停止規定を適用しないとの解釈が学説では有力であったが、最高裁平成21年10月20日の判決で「犯人が国外にいる間は、それが一時的な海外渡航による場合であっても公訴時効はその進行を停止する。」と10日程度の海外旅行でも時効は停止するとされました。
しかし、それは刑事事件の公訴時効の話であって、お金を借りて返さなければならないという義務はあくまでも民事のお話しです。海外に出国しても消滅時効は中断も停止もしません。
海外に逃げれば借金は帳消しなのか?
たとえば、サラ金から1000万円を借金して、10年間海外へ行っていれば借金は消滅時効で帳消しになって、1000万円は丸儲けなのでしょうか?
この場合は、前述のように刑事事件ではないので、海外に行っても、時効は進行していきますので、他に中断事由がなければ5年(10年)で時効が完成します。ある意味時効で丸儲けということになるのかもしれません。
しかし、数十万円の借金ならともかくも、1000万円のもの借金なら担保を取っている場合や連帯保証人を付けていることもあるでしょう。また、債務者が海外に高飛びしていたとしても担保に取っている土地建物の実行は可能ですし、保証人にも請求されてしまうでしょう。
もちろん、債務者本人が国内にいなくても訴訟は可能ですし、行方不明で訴状が届かなくても公示送達により判決もでるので、消滅時効の中断は可能です。
海外に逃亡して、消滅時効を狙ったとしても、十数年経過しないと時効が完成しないことも十分考えられます。そう簡単には時効で丸儲けというわけにはいかないようです。
なお、最初から1000万円を借金して海外に逃げるつもりだったなら、これは詐欺罪であり犯罪です。公訴時効にかからないだけではなく、海外の警察に手配されて逮捕されることもあります。また、そもそも海外にそれ程長い年数滞在することは出来ません。不法滞在での処罰もされることになるので、丸儲けどころか、人生台無しになることも覚悟しなければなりません。
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