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動産の差押えの対処方法その2

動産の差押えの対処方法その2

●いよいよ(家財道具)動産執行が開始されてしまった。

前述のとおり動産の強制執行は、執行官が債務者の家の中の家具や家財、電化製品等を弁済にあてるために差し押さえるものです。もちろん庭に置いてある灯篭や盆栽なども対象になることもあります。

■家具・家財道具の差押えは恐るるに足らず

会社や商売人の場合は、オフイスや倉庫などに、商品の在庫や道具、作業道具、什器備品などある程度差押え可能な動産が期待できる場合もあるでしょう。

しかし、一般家庭にはそれほど高価なものは一般的にはありません。もちろん、差押えを行われる状態に至っているのですから、これまでに高額で売れるものは既に換価されているはずですし、ほとんど期待はできないはずです。

部屋のイラスト家具家財

家財道具の強制執行と聞くと、執行官が数人で自宅にやってきて、タンスや冷蔵庫、テレビに赤紙を次々にペタペタと貼っていく様なイメージがありますが、それは、テレビなどで悲惨な描写の方がリアル感があるのでそのように描いているだけで、現在そのようなことは事は行われていません。

確かに、過去においては、このようなことも行われたようです。
執行官が差し押さえたタンスなどを競売にかけるまでの間、債務者にそのまま保管させて尚且つ、使用を許可する場合があります。 その場合に差押えされていることを債務者や第三者に公示するために執行官が、「封印票」や「差押物件標目票」をはることになっており、この差押物件標目票を勝手に剥がすと、刑法上『封印破棄罪』が成立することになっていますが、少なくとも封印票は赤紙ではありませんし、現在では直接動産には貼らず、執行官が「差押目録」を作成して、それを部屋の壁に貼るようになっているようです。

下記の差押物件標目票の写真は、寛良(細野孟士)さんが運営しておられる『リスク・カウンセラー「四方八方巷談」』というブログで発見したので参考のため載せています。61年時点では少なくとも『赤紙』ではないことが解ります。サイズも記載されています。

※写真引用 リスク・カウンセラー「四方八方巷談」差押物件標目票、リスク・カウンセラー「四方八方巷談」の画像引用
http://risk-counselor.seesaa.net/article/21916380.html引用ここまで

少し昔の動産執行は、それなりに有効なもので、その実務においては、執行官が、お抱えの「道具屋」さんを執行現場に連れて来て、その場で次々に値段を決めて買わせることになっていました。
しかしながら、その値段はたとえばテレビが3000円、冷蔵庫が5000円、エアコン6000円と、二束三文であり、すべてをかき集めても5万円にもならないというものです。
そして、道具屋はこれらの家財道具を買い取るわけですが、これらの動産を運び出すのも手間ですし、費用をかけて一旦持ち帰っても直ぐに売却できるとも限りません。
そこで、道具屋は最も効率よく、高額でも引き取ってくれる相手として債務者に売りつけることが常態化していました。
執行官が帰ったあとで、3万円で買ったものだから利益を付けて「6万円でどうでしょう。」となるのです。債務者にしても6万円さえ出せば、すべて取り返せるのですから、それほど恐れるものでもありませんでした。

殆どの家財道具は差押えが禁止されている。

現在では、殆どの家財道具に関しては差押え禁止財産とされているので、一般家庭に対してはまったく効果が無いので、金融機関や貸金業など、いわゆるプロの業者は採算が取れないので、動産執行は殆ど行いません。

動産執行をするとすれば、金融会社以外の素人の一般債権者が腹立ち紛れに行うことの方が多いと思われます。
しかし、一般家庭にある家具やテレビ、ビデオ、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、乾燥機など生活必需品とされる殆どのものが差押え禁止となっていますので何も差押えされません。
ですから、特殊なものがない限り、特に対策をせずとも差押えは出来ずに、執行官は「執行不能」として帰ってしまいますので安心してください。

●民事執行法で定められている差押禁止動産

第131条  次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。

①債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具

②債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料

③標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭 66万円

④主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物

⑤主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物

⑥技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者のその業務に欠くことができない器具その他の物

⑦実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの

⑧仏像、位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物

⑨債務者に必要な系譜、日記、商業帳簿及びこれらに類する書類

⑩債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物

⑪債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具

⑫発明又は著作に係る物で、まだ公表していないもの

⑬債務者等に必要な義手、義足その他の身体の補足に供する物

⑭建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品

上記のとおりですので、一般家庭で実質差押えできるものは、
66万円を超える現金、骨董品、貴金属や宝石、絵画、株券や有価証券、ゴルフ会員権、庭木、庭石等ぐらいでしょう。

具体的な差押禁止動産の基準

なお、各地方裁判所の民事執行部ごとに具体的な差押が出来ない物品の基準を公表しているようですが、東京地方裁判所民事執行部では、下記の通りです。

■差押えできないもの

○洋タンス○和タンス○整理タンス○ペッド○食器棚
○食卓セット○調理用具○暖房器具

■一台のみ差押えできないモノ

●鏡台●洗濯機●乾燥機●冷蔵庫●電子レンジ
●瞬間湯沸し器●ステレオ●テレビ●ビテオデッキ
●掃除機●エアコン

あくまでも基準であり、実際には殆どの生活用品は差押えできません。

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